2013年2月24日日曜日

Eternal Zero

永遠の0』を先日読み終えた。
前々から読もう読もうと思いつつも、後回しにしてしまっていたが、
映画化もされるということで、このビッグウェーブに乗るしかないと思い購入。

以下、ネタバレを含む感想です。

私は所謂、戦争を知らない世代の人間であり、
社会化の授業で戦争のことを学んだことがある程度の知識レベルだ。
今思えば、人生経験が浅く、まだ世の中を知らない小学校時代に戦争のことを話されても正直、
ピンと来るはずもなく、社会科の授業で学ぶ知識の1つ以上で、それ以下でもなかった。

しかし、歳を重ねる毎に様々な経験をすることで、考え方も変わってくる。
昔では泣かなかったドラマのシーンで、泣いたりすることもある。

と前置きが長くなってしまったが、この本は、私のような戦争を知らない世代で、
大人になった人々に読んでほしいと思う一冊である。

百田さんの文章は読みやすく、読んでいるうちにどんどん引きこまれていく。
ページ数は500ページ以上と長編ではあるが、この本はそれを感じさせないくらい、一気に読めてしまった。

宮部久蔵を巡る、様々な語り手から語られる当時の記憶は、様々な切り口で構成され、
各話どれをとっても当時の悲惨さ、人々の心の強さが描かれている。
なんて壮絶な時代だったんだろう、自分よりも若い世代がここまで立派だったのかと、
今の自分の環境、立場と比較して、なんだか後ろめたい気持ちを感じざる負えなかった。

ただ、最後だけは自分としては正直納得のいかないところもあった。
この本を通しての大きな謎である、「宮部の特攻の理由」である。
※ 別にこれは批評とかでなく、単純になんでだろう?と疑問が残ったので書いている
※ 否定すれば勝ってるつもりになってる中二病的な感覚ではないことはご容赦

この本の半ばで、宮部は「特攻を命じられたら、どこの島でもいいから不時着しろ」と部下に対して諭す場面がある。
それに対して、最後にあっさりと宮部は特攻してしまう。

これに関して、「特攻を命じられた時には宮部は仲間の死を見すぎて生への後ろめたさがあった」、
「自分を救った部下との運命の再会に自分の命を捧げてもよいと感じた」、
「自分以外の命で誰かが救えるならばそちらの道を選んだ」、など色々な解釈はあると思う。

ただ、なぜ不時着を選ばなかったのかという明確な理由は記されていない。
読者の想像に任されている部分なのだと思う一方で、やっぱり納得がいかないと思う自分もいる。
自分がこの納得の行かない感覚に陥ったのも、この宮部という人物に引きこまれていたからだと思う。
この人には生きていた欲しかった、死ぬならばちゃんとした理由を知りたかった、というのが本音なのである。

長々と書いてしまったが、個人的には非常に素晴らしい本だったと感じています。
色々考えさせられる内容もあり、これからの自分の人生に活力を与えてくれる一冊となった。
映画も今年の12月に公開予定とのことなので、是非映画館に観に行きたいと思う。



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